WWDC2016が6/14からサンフランシスコにて開催されました。
基調講演が下記のYouTubeで見れます。
さて、今年もいろんな発表がありました。
アプリの開発者として自分の領域だけを見てしまうと、狭い考え方になってしまうので、Appleが今後どうしたいのかを裏読みしながら考えてみたいと思います。
文字を書きたいときはエディタを開く、話したいときは電話アプリを立ち上げて、宛先を選んで、、チャットならLINEやfacebook messengerを起動して、、、
普通でした。それはそういうUIがあったから。
アップルはいわゆる普通の人が使えるコンピュータを作ろうとして、人に寄り添う形で使えるように、いつでも使えて持ち歩けるようにデスクトップからラップトップ、ノート型へ進化してきた。それが今は、もっと小さい小さなハコにおさまり、スマートフォンとかと言われてもいます。
機能を一つ一つみると派手に見えるものもありますが、今回目立つのは、Siriや音声認識が解放され、3D touchやPush通知での表示がリッチになり、AppleWatchもバージョン3になってようやく使えるレベルになってきた。それぞれのプラットフォームで共通になってきて相互にクリップボードのデータのやり取りができたり、アプリを起動せず、その場で通知の応答処理ができるようになりました。
バッググラウンドの処理の緩和もあり、コンピュータにお願いしておけば、人が操作しないでも勝手にコンピュータが動いて必要な情報を届けてくれるようになった。なんか昔でいうパーソナルデジタルアシスタント。Knowledge Navigatorなんてのありましたが、まさにあれ。
今まではできないことによる制限でユーザーもアプリ開発者も苦労してきたけど、ハードウェアが進化し、本来目指す世界を実現できるようになってきた。もう何かをするためにアプリを起動してということが少なくなってきています。音声や検索で必要な操作をオススメしてくるわけです。同じような概念で、OpenDocってものありました。OpenDocは一つのドキュメントをいろんなアプリケーションのパーツで構成するものですが、iOS10の世界を「一つのドキュメント=OS」として考えるとしっくり来ます。
目に見えるものから目に見えないUIへ
欲しいものを買いたい、見たいときにレビューや友達がオススメしてくるのと同じで、コンピュータがユーザにとって適切なことを提案してくれる。そんな世界が始まろうとしています。必要なときにアプリの一部機能が反応するので、OSの一体感を失わずに、出来ることがその人に合わせてカスタマイズされた環境へ。iOSでもアプリができることが増えてきたのでAndroidと似た感じではあるが、Androidはアプリが我こそはと主張して奪い合う感じがして根本思想が違うように思えます。Androidも6.0、7.0とバージョンが上がるに連れて何でもありだったのが徐々に許可/制限がふえていっています。
そういう視点で見ると、iOS10はコンピューティングの未来へ正しくすすむための、第一歩に思えます。もっともっと小さく、人に寄り添うため、目に見えないコンピュータとなっていくための新しいユーザーインターフェースへの入り口。
アプリ開発者からすると、自分のアプリを統一したUIで実現するには、どうやったら使いやすくなるか、と、一生懸命悩むばかりなので、複雑ではありますけどね。